ロボット選定の勘所とSIerの選び方

Selection·導入プロセス·約11分·全9ページ

エグゼクティブ・サマリー

  • 「どのロボットがいいですか」は答えられない質問である。良し悪しは要件によって決まるからだ。選定は要件定義の後にしか成立しない。
  • 選定の実務は3段階——ロングリスト(候補の網羅)→ショートリスト(要件での絞り込み)→PoC(実機での検証)。各段階で捨てる基準を先に決めておく。
  • 評価軸はカタログスペックだけでは足りない。現場適合性・運用負荷・拡張性・供給体制・総保有コストの5軸で比較する。
  • 機体選定と同等かそれ以上に、SIer(システムインテグレータ)選定が結果を左右する。同じロボットでも、統合する会社によって成否が変わる。
  • SIerを見る観点は5つ——同種業務の実績・要件への理解度・責任範囲の明示・保守体制・断る誠実さ。最後の1つが最も見落とされる。

なぜ「どのロボットがいいか」に答えられないのか

ロボットは汎用機ではない。搬送ロボット、協働ロボットアーム、ピッキングロボット、清掃ロボット、警備ロボット、案内ロボット、農業用ロボット——用途ごとに全く別の製品カテゴリがあり、比較の土俵にすら乗らない。

同じカテゴリの中でも、成立条件は細かく分かれる。搬送ロボット(AMR/AGV)ひとつ取っても、可搬重量、走行方式(磁気テープ誘導かSLAMによる自律走行か)、通路幅の要求値、段差の許容値、充電方式、人との混在可否、上位システムとの連携方式が製品ごとに違う。

したがって「どれがいいか」は、現場の条件と業務要件が決まって初めて判定できる。要件を渡さずにメーカーに問い合わせれば、返ってくるのは「一般的にはこう使われています」という一般論であり、それを並べても比較にはならない。

前提として、RX構想策定を経て要件定義書ができていることが、選定の出発点になる。

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