購入かRaaSか——ロボット調達方式の選び方

Procurement & RaaS·事業・投資·約14分·全9ページ

エグゼクティブ・サマリー

  • 調達方式の選択は、資金の問題ではなく不確実性の問題である。 用途が固まり10年使うと決まっているなら購入が最も安い。用途が固まっておらず、機種を替える可能性があるなら、割高でも柔軟な方式が結果的に安く付く。
  • RaaSの月額は「機械の分割払い」ではない。 保守・遠隔監視・ソフト更新・消耗品・稼働支援まで含めた運用込みの料金である。したがって購入価格と月額×期間を単純比較すると、必ず判断を誤る。
  • 比較は5年TCOで行う。 本体・工事・治具・システム連携・保守・消耗品・電力・撤去・運用工数までを同じ土俵に並べる。購入側に自社負担で乗る保守と運用工数を積み忘れると、購入が不当に安く見える。
  • 契約で最も見落とされるのは、途中解約・撤去・データ帰属の三つである。 「うまくいかなかったとき」「機種を替えたいとき」「事業者が撤退したとき」に何が起きるかを、契約書の文言で確認する。
  • 一つの方式で全台を揃える必要はない。 用途が固まった主力工程は購入、検証中の工程や繁忙期の増設はRaaSやレンタル、という組み合わせが実務的には最も合理的である。

ロボット導入の相談で、機種選定と同じくらい経営層の関心が集まるのが調達方式である。「購入すべきか、RaaSにすべきか」という問いは、しばしば資金繰りや会計処理の話として持ち込まれる。しかし実際に判断を分けるのは、その用途がどれだけ固まっているか、そして数年後に何が変わりうるかである。本稿は、方式ごとの構造を整理したうえで、比較の物差しと契約時の確認項目を示す。

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